私は看護師という仕事が天職だと思っていました。髪の毛が真っ白になっても看護師として働き続ける未来しか考えていませんでした。
1歳になる少し前、寝室にいる息子のいびきが止まりました。心配になって見に行くと、息子は全身紫色になっていました。すぐに抱き上げて背中を叩いて刺激すると、大きな声をあげて泣きました。
あの時の息子のぐったりした表情、紫色に変色して冷たくなった身体、ぴくりとも動かない手足。今でも鮮明に思い出せます。
息子の病名が発覚したとき、私の看護師としてのキャリアが潰えたと感じました。看護師の仕事は在宅ではできないと思っていたからです。
しかし、私は看護の道を諦められませんでした。
看護師として働いていく上で一番やりがいを感じた看護学生の指導。数ある職業の中から看護師という仕事を選んでくれた優しい子たち。そんな看護学生の助けになりたいとオンラインサポートを始めました。
困っている看護学生を一人でも多く救えるよう、講師を増やすために在宅で働きたいと思っている看護師向けの講座も始めました。
子育てや介護、健康問題など、様々な理由で病院勤務が難しくなっても、看護師としての経験は決して無駄ではありません。
私自身の経験から得たノウハウを共有することで、より多くの看護師が自分らしい働き方を見つけ、同時に看護教育の質も高めていけるそんな好循環を生み出していきたいと思っています。
「病院の外にも看護師の活躍の場はある」ということを、一人でも多くの方に届けることが私の使命です。
